秋の一日有効に

 ポカポカ陽気に誘われて、コバルト色でふんわりとした雪虫たちが一斉に湧き出るように飛び交っています。
ほんの数匹が儚げにフワリフワリと飛んでいるのであれば、風情を感じながらそろそろ雪が来るんだ・・・と四季の移ろいを感じ、儚い命の虫たちにも同情するのでしょうが、こんなにたくさん出現しては体中にくっついてほんとに迷惑なこと!
そう思いながら、もしも金子みすずさんなら決してこうは思わないだろうナ・・・
ミミズだって、オケラだって、アメンボだってみんな生きているんだ・・・と、自分の身勝手さを反省(?)。

 北海道博物館での「夷酋列像( いしゅうれつぞう )」が開催されており、友人二人を誘って行って来ました。
気温20℃と久しぶりに暖かくコートもいらないほどで、 高く澄んだ青空が広がり、絶好のお出かけ日和でした。
途中近くの公園の美しい紅葉を眺めてから待ち合わせ場所へ。 そして私の車で会場まで約40分。
11月8日までの開催・・・あと3週間ほどで終了、それに土曜日ということもあり結構来場者が居りました。

       
 岩見沢市内の公園   10.17  夕張 : 滝の上公園   10.17 北海道博物館・・・野幌森林公園に隣接 

 夷酋列像は、蠣崎波響によって緻密に描かれた12人のアイヌの酋長たち(北海道東部や国後島)の肖像画。
彼は江戸時代後期の松前藩家老で画人、文人でもありました。

 寛政元年、和人の商人たちにしいたげられたアイヌたちが耐えかねて、70人あまりの和人を殺害したという戦い(クナシリ・メナシの乱)がありました。
結果、蜂起者達はアイヌ最大の実力者の勧告で降伏し、蜂起したアイヌの主だったものは皆処刑されることにより、この戦いは数か月間で鎮定。
この直後、波響は実兄で松前藩13世藩主道弘の命によりこの製作に着手。

 「クナシリ・メナシの乱」鎮定の功労者であるアイヌ12名が、1葉ずつ描かれております。
これらの肖像画は実際に見て描いたわけではなく、蠣崎波響が美しく仕立てた創作で、実際以上に装飾して描かれているようです。
アイヌ民族の虚像図、イメージ図で、一つ一つのものは実物を見て描き、それらを組み合わせたもののようです。
アイヌたちの所持していたものは、もっと貧相なものだったはず。 
松前藩の幕府に対する政治的PR作戦であったともみられています。 

 画には色々矛盾が感じられ、アイヌの実態を表したものとは程遠く、アイヌ民族資料としての価値はほとんどないようです。
しかし画としては本当に美しく迫力があり素晴らしく、ガラスケースに額がつくほど近づいて見入りました。
蝦夷錦と呼ばれる極彩色の衣装を身にまとい、背が高く鋭い眼光でにらみをきかせ、大変威厳ある風貌に威圧感を感じました。
そして驚くほど緻密な描写・・・髭や髪の毛、またアザラシの毛皮でできた長靴の毛の一本一本、衣装の模様やひだ、等々・・・に驚かされどおし。

 完成した「夷酋列像」を持って波響が上洛すると、そこで京阪の文化人、貴族たちの目に触れ、また天皇や諸藩大名たちの賞賛を受け、大変な評判を生み多くの模写がなされたようです。
それらの模写画も私たち見ている者に比較しやすいように展示されていましたが、波響の技術がいかに優れていたかが良くわかりました。

 まだ1枚の行方が分からないようで、描かれた人物や物、歴史的背景など、いまだに夷酋列像には謎が多いとのこと。
どうしてフランスから見つかったのか・・・等々少し掘り下げて勉強してみたい気も・・・アイヌ民族の歴史など私の興味をそそる分野です。


 小洒落て落ち着いた雰囲気のレストランで美味しいランチをいただいた後、せっかくここまで来たのだから・・・と、野幌森林公園内を散策。
遊歩道の枯葉を踏むカサカサ音を快く感じながら、木々の放つ香りに癒されて心地よい小運動にもなりました。
こんなアウトドア日和の日はこれが今年最後かも・・・このまま家に帰るのはもったいない・・・などと言うことになり、リクエストに応じて夕張の紅葉を見に行くことにしました。

 道内有数の紅葉の名所とも言われる滝の上公園に着いたのは午後4時を過ぎていましたが、まだかなりの人で賑わっており、アジア系外国人の姿も見受けられ、こんな所にも・・・と驚きました。
ここは渓谷となっていて夕張川と大小さまざまな奇岩や滝、そして岩に張り付いたような美しい紅葉、それらにレトロな水力発電所の建物が良く調和しており、美しい自然の景観を十分に堪能しました。

 日没後の薄暗くなりはじめての帰路は本当につるべ落としで、農道を脱出して市街地の華やかな灯りが見え始めるとホッと。
今日は丸一日を本当に有効に過ごし、心身ともにリフレッシュすることができました。
これでまたしばらく元気で過ごせそう。

               

                    9月を振り返る第3回いわなびまつり