手 紙

 先月末、日ペンからA4版の分厚い封書が届きました。
この時期に、一体何だろう・・・といぶかりながら開封し、ドキリ!
来年の全国ペン書道展の課題撰文・手本揮毫に関する依頼の文書が・・・9月14日(金曜日)必着と。

 過去20年間ほど、「学年習字」の毎月の手本揮毫を担当していました。
数年前の役員会において、雑誌にかかわる仕事に起用してくださるのはありがたいことではあるが、日ペンの将来のためには、若手に引き継いでいくべきでは・・・。
一人の人間が長期間にわたり続けていくことはいかがなものか・・・と提案したことがありました。

 以来、「学年習字」「ペンの光」における手本の書き手や講評担当者の交代が進み、好ましく思っておりました。
今年6月、審査会終了後の個人的交流の場において、雑誌の現在や将来のことなど色々お話が出ました折、私個人としては今後第一線からは退くことを宣言してきたばかりでしたのに・・・。

 過去何度か、展覧会の課題撰文・揮毫を担当させていただきました。
雑誌への発表は2月号。 依頼はいつも11月か12月。 
年末の気ぜわしい中、さらに毎日のように降る雪の処理。雪かき作業で手が震えるし(今は何もしなくても震える)・・・と大変でした。
こんなに早々と依頼が来るとは・・・日ペンさんもずいぶんテキパキとお仕事なさること!!!
この分ならば依頼をお断りしても、代わりの人選をするのに期間的余裕がある・・・と思いながら、「課題・参考手本揮毫・撰文等の分担」に目を通しました
   現代手紙文1部  参考文撰文A  B5版(便箋2枚) 350字程度  大西恵翠 」
参考文だから文章を考えるだけで良いのだ・・・と言うことは、手が震えるなどの理由で断るわけにはいかない・・・。

 でも、最近はパソコンメールやケイタイメールの爆発的普及により、直筆で手紙を書くということは少なくなっています。
このような風潮において日ペンが手紙の課題を・・・とは、時代にそぐわないのでは・・・と、ふと思ったりしました。
いやいやこんな時代だからこそ、画一的なフォントで記された文面にはない、手書きの文字に込められた思いや暖かさは大切にされなくては。
等々、色々考える機会を与えられた気がしました。

 振り返ると、なんと優雅な時代を生きてきたのだろうと思います。
相手に合わせて便箋を選んだり、言葉を選び何度も書き直したり、切手を貼り、ポストまで足を運び、返事が来るまでの待ち遠しさ・・・。
電波に乗ってあっという間に往復するメールは、便利で助かることもあるけれど感情が伝わりずらく味気ない・・・。
そんなことを思いながら、依頼の仕事にかかりました。

 出来上がったものがすんなり通るとは限りません。課題としてそぐわないため書き直しということだってあります。
なるべく早く手元から離さないと、諸々の計画も立てられないし・・・。
数日前、編集室あてに仕上げた原稿(ワード使用)を送付。
その3日後、無事関門通過の知らせ(ケイタイメール)を受けホッと。
双方ともデジタルでのやり取りに、思わず苦笑。
良いものは残しつつ、時代に乗り遅れないよう便利なものは上手に使う・・・この使い分けも大切・・・と自分への言い訳をしています。


                        全国展を見に厳しい夏